多職種連携の事例
排泄の自立に向けたシステム構築
病院からご自宅へ帰るための、
大きな課題の一つが「排泄の自立」です。
排泄は、人間の基本的欲求の一つであるにもかかわらず、多くの人にとって、できれば人に見られたくないという羞恥心を伴う行為です。
排泄をケアをされることは患者様の自尊感情に大きな影響を与えるものであり、排泄を失敗してしまうことは、身体だけでなく心に悪影響を及ぼします。
私たち間中病院では「排泄の自立」に対し、医師・看護師・リハビリ専門職の職員が協力してプロジェクトを組み、患者様の在宅復帰を推進しています。
本ページでは、2019年リハビリテーションケア合同研究大会にて発表した内容の一部をご紹介します。
01
取り組みの目的
回復期リハビリテーション病棟における、入院患者様の排泄行動の自立支援システムの構築
02
実施フロー
- 1新規入院受け入れ
新規入院から1〜2週間、排泄状況を管理・評価
以下の条件を満たす患者様へ介入を決定します。
- 失禁がある
- 排泄に関するFIM(機能的自立度評価法)が5点以下
- 自宅への復帰が目標
-
2排泄カンファレンス
週1回病棟で排泄カンファレンスを実施
対象患者様のアセスメント結果を情報共有し方針を議論。
<参加メンバー>
医師/看護師/リハビリスタッフ/ケアワーカー - 3排泄行動スクリーニング表・排泄日誌
排泄行動スクリーニング表と排泄日誌を作成。
- 4排泄カンファレンス(第二回以降)
患者様へのケアプラン策定、カンファレンス実施、評価・修正を高頻度に実施することで患者様の排泄行為の自立を実現。 - 5職員教育のサイクルへ
定期的な職員意識アンケートの実施
職員向け勉強会・チェックシート等の見直し
全ての職種の職員が排泄に関する共通の知識・スキルを身につけ、患者様へケアを提供できる体制を構築